ダニエル 5:1-31             小牧ホープチャペル

 

「ベルシャツァル王の大宴会」                  藤野純一

 

 

 

    ベルシャツァル王の大宴会  v1-4

 

v1 <ベルシャツァル王は、千人の貴族たちのために大宴会を催し、その千人の前でぶどう酒を飲んでいた。

 

バビロニア帝国の王

 

第2代 <ネブカドネツァル> (BC605年~562年)

 

ダニエルたちのバビロン捕囚(第1回) BC605年

 

エルサレム陥落 バビロン捕囚(第3回) BC586年

 

第6代 <ナボニドス> (BC556年~539年) ネブカドネツァルの娘婿

 

第7代 <ベルシャツァル> (BC553年~539年) ナボニドスの息子

 

きょうは、BC539年

 

 

 

v2 <酒の勢いに任せて、父ネブカドネツァルがエルサレムの宮から持ち出した金や銀の器を持って来るように命じた。

 

王とその貴族たち、および王の側室たちや侍女たちがその器で飲むためであった。

 

v4 <彼らはぶどう酒を飲み、金、銀、青銅、鉄、木、石の神々を賛美した。

 

 

 

    現れた指が文字を描く  v5-9

 

v5 <ちょうどそのとき、人間の指が現れ、王の宮殿の塗り壁の、燭台の向こう側に何かを書き始めた。

 

v6 <王の顔色は変わり、いろいろと思い巡らして動揺し、腰の関節はゆるみ、膝はがたがた震えた。

 

v7 <王は大声で叫び、呪文師、カルデア人、占星術師たちを連れて来させた。王はバビロンの知者たちに言った。「だれでも、この文字を読んでその意味を私に示す者には、紫の衣を着せて首に金の鎖をかけ、この国の第三の権力を持たせる。」

 

v8 <そのとき王の知者たちがみな入って来たが、・・・

 

 

 

v9 <それで、ベルテシャツァル王はひどくおびえて、顔色が変わり、貴族たちも途方に暮れた。

 

 

 

   王母登場  v10-12

 

v10 <王母は、王とその貴族たちのやり取りを聞いて、宴会の広間に入って来た。> 

 

王よ、・・・いろいろと思い巡らし動揺してはいけません。顔色を変えてはなりません。

 

v11 <あなたの王国には、聖なる神の霊の宿る人がいます。あなたの父上の時代、彼のうちに、才気と聡明さと、神々の知恵のような知恵があることが分かりました。

 

あなたの父上であるネブカドネツァル王は、彼を呪法師、呪文師、カルデヤ人、占星術師たちの長として立てられました。

 

v12 <王がベルテシャツァルと名づけたダニエルのうちに、夢を解き明かし、謎を解き、難問を解くすぐれた霊と知識と聡明さがあることが分かっていますので、今、ダニエルを召して、その解き明かしをさせましょう。

 

 

 

    ダニエル登場  v13-17

 

v13 <そこで、ダニエルが王の前に連れて来られた。王はダニエルに対して言った。「私の父である王がユダから連れて来た、ユダからの捕虜の一人ダニエルとはおまえのことか。

 

 

 

v16 <今、もしおまえが、その文字を読み、その意味を私に告げることができたなら、おまえに紫の衣を着せて首に金の鎖をかけ、この国の第三の権力を持たせよう。

 

 

 

v17 <ダニエルは王の前で答えた。贈り物はご自分で取っておき、報酬はほかの人にお与えください。

 

 

 

   ネブカドネツァルのへりくだりの経験  v18-21

 

v18 <王よ。いと高い神は、まさしくあなたの父上ネブカドネツァルに、国と偉大さと栄光を威光をお与えになりました。

 

v19 <神が父上にお与えになった偉大さによって、諸民族、諸国民、諸言語の者たちはことごとく、父上の前におののきました。彼は思いのままに人を殺し、思いのままに人を生かし、思いのままに人を」高め、思いのままに人を低くしました。

 

v20 <こうして彼は、心が高ぶり、霊が頑なになり、高慢にふるまったので、その王座から引きずり降ろされ、栄光を取り上げられました。

 

v21 <そして、人の中から追い出され、心は獣と等しくなり、野ろばとともに住み、牛のように草を食べることになり、からだは天の露にぬれて、ついにこう知るようになりました。いと高き神が人間の国を支配し、みこころにかなう者をその上にお立てになるのだと。

 

 

 

ベルシャツァルの高慢  v22-24

 

v22 <その子であるベルシャツァル王よ。

 

あなたはこれらのことをすべて知っていながら、心を低くしませんでした。

 

v23 <それどころか、天の主に向かって高ぶり、その宮の器を自分の前に持って来させ、あなたと貴族たちとあなたの側室や侍女たちは、それを使ってぶどう酒を飲みました。あなたは、見ることも、聞くことも、知ることもできない銀、金、青銅、鉄、木、石の神々を賛美しました。しかし、あなたの息をその手に握り、あなたのすべての道をご自分のものとされる神を、あなたはほめたたえませんでした。

 

 

 

    文字の意味  v24-28

 

v24 <そのため、神の前から手の先が送られて、この文字が書かれたのです。

 

v25 <その書かれた文字はこうです。『メネ、メネ、テケル、ウ・パルシン。』

 

v26 <・・・『メネ』とは、神があなたの治世を数えて終わらせたということです。

 

v27 <『テケル』とは、あなたが秤で量られて、目方の足りないことが分かったということです。

 

v28 <『パルシン』とは、あなたの国が分割され、メディアとペルシャに与えられるということです。」

 

 

 

   その結果  v29-31

 

v30 <その夜、カルデア人の王ベルシャツァルは殺された。

 

バビロン陥落 BC539年10月12日の夜。

 

 

 

ギリシャの歴史家ヘロドトス(BC485頃~425頃)

 

「(ペルシャの王)クロスがバビロンに向けて進軍した。しかし、バビロニア人は出陣してクロスを待ち構えた。バビロニア人は打ち負かされて城壁の中に逃げ込んだ。バビロンには何年分もの物資が蓄えられているので、籠城に不安はなかった。一方クロスは時間が過ぎ去るばかりで、全く状況には進展がないと、困難を感じていた。だれかが提案したのか、あるいは王自身が考えたのか、次のような戦略に賭けた。軍隊の大部分を川の流れがバビロン市内に入るところに置いて、軍隊の一部を町の反対側で、川が町から流れ出るところに配置して、「流れを渡れるようになったら、すぐに町に入れ」と命令した。クロス王自身は、軍の他の部分を引き連れて、湖に来て、運河を掘って、川が湖に流れ込むようにした。」

 

                                      バビロンの復元図/Instagramから引用

 

 

 

今週の聖句 ダニエル 5:23 <しかしあなたの息をその手に握り、あなたのすべての道をご自分のものとされる神を、あなたはほめたたえませんでした。